解説

 前のステップでは目標を設定しました。このステップでは、その目標を達成するための課題を整理し、解決すべき課題を特定します。

2-1. 目標達成までのプロセスを整理する

 目標達成までのプロセスを図で整理する手法として、ロジックツリー(KPIツリー)があります。次図のように、目標を四則演算可能な要素に分解して、樹形図を作成する手法です。目標を分解した要素(指標)はKPIと呼ばれ、施策の成果を評価する際に用いられます。

 KPIツリー例  

2-2. 目標値や実績値などの数値を記入する

 整理した目標達成までのプロセスに、目標値や実績値を記入します。また、プロセス間の離脱率などを記入することで、ボトルネックになっているプロセスを特定しやすくなります。

2-3. 解決すべき課題を特定する

 理想は全ての課題を解決するべきですが、リソースには限りがあるため、解決する課題に優先順位をつける必要があります。その際、次のような優先順位のつけ方があります。

  • 目標への影響が大きいプロセスや、ボトルネックとなっているプロセスを特定する
  • 改善策のアイデア数が多いことや、実施難易度が低いプロセスを特定する
  • 現場担当者へのヒアリング等による定性的な情報(抱えている課題)などから特定する

ケーススタディ

 前のステップでは、目標を「リピーター減少前の来店客数(1320人/年)を確保する」と設定しました。ここからは、課題を整理し、解決する課題を特定していきます。


ワーク:解決すべき課題は何でしょうか? また、そのKPIはどのように設定できるでしょうか?


目標達成までのプロセスを整理する

 顧客数を新規顧客と既存顧客に分解しました。それぞれの顧客獲得のアプローチが異なるからです。また、「顧客数」の上位に「売上」を描いています。今回はシンプルにするために「顧客単価」は設定していませんが、ビジネス上の課題を整理する際は、売上や経費効率などへの影響までを考慮することが重要です。

 

 

解決すべき課題を特定する

 来店客数を増やすためには「新規顧客の獲得」と「既存顧客の獲得」が必要です。しかし、背景より「競合店が多いため、新規顧客獲得のための宣伝は費用対効果が悪い」とあり、新規顧客の獲得増は難しそうです。そこで今回は「既存顧客の獲得」、つまり新規顧客を既存顧客(リピータ)にする方針にしました。

 数値で整理すると(既存顧客は年4回利用と仮定)

  • 現状のリピート率: 約35% = 既存顧客170人 / 新規顧客480人
  • 目標のリピート率: 約45% = 既存顧客210人 / 新規顧客480人

 目標の来店客数(1320人 / 年)を確保するためには、新規顧客のリピート率を45%にする必要があります。この新規顧客のリピート率をKPIとして設定します。ここまでを整理すると次のようになります。

  • 課題:新規顧客のリピート率改善
  • 目標(KPI):新規顧客のリピート率45%

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