解説

 まず、最初に行うべきはビジネス上の目標をしっかりと定めることです。ゴールをイメージできなければ、具体的な成果は見込めないでしょう。このステップでは、具体的な施策につながりやすい目標の設定方法を解説します。

1-1. 状態目標を設定する

 目標が達成された状態を設定します。できる限り絵としてイメージできるようにします。

1-2. 数値目標を設定する

 状態目標をより具体化するために、目標を数値で表現し、さらに期限を設定します。時間的に余裕が有る場合は、パイロットケースを実施し目標値の妥当性を向上させます。

 また、初めてこのプロセスを実施する際に、具体的に数値が設定できないことがあるかもしれません。設定できない場合は、まだ設定する必要はありません。後のステップで様々な情報を整理すれば設定しやすくなるので、その時にこのステップに戻って設定します。

目標を定量的に表現するコツ

  • 新規の取り組みとなる場合は、作りたい利益やコストから逆算する
  • 既存の取組の延長にある場合は、その取組の目標設定の背景を確認し、今回の目標設定の材料にする
  • 類似する事例がある場合は、類似するものをベンチマークとして設定する

ケーススタディ


ワーク:美容院の要望を受けて、どのような目標が設定できるでしょうか?
ヒント:リピータ減少前後の来店客数を調べてみると以下のことがわかりました。

  • 減少前:来店客数(年間) 1320人 = 新規顧客480人 + 既存顧客210人 × 利用4回
  • 減少後:来店客数(年間) 1160人 = 新規顧客480人 + 既存顧客170人 × 利用4回

状態目標

 「来店客数をベテランスタイリストの引退前の水準に戻したい」という依頼だったので、そのまま「来店客数をベテランスタイリストの引退前の水準に戻す」を状態目標とします。

数値目標

 リピータ減少前の来店客数は年間1320人ですので、これが数値目標になります。

 状態目標と数値目標を整理して、目標は「リピーター減少前の来店客数(1320人 / 年)を確保する」と設定します。このように目標を具体的な数値に落とし込むことで、具体的な施策などを議論できるようになります


<< イントロダクション   >> Step.2 解決すべき課題を特定する


「データから価値を創造する」一般社団法人データマーケティングラボラトリー

Copyright© DML All Rights Reserved.