このテキストの対象者

 データ活用に興味があり、これから取り組みたいと考えていて、次のような課題を抱えられている人(企業)を対象としています。

  • 書籍などで紹介される成功事例と実務とに距離があるので、具体的に何をしたら良いかわからない
  • 部下や外注先からデータ分析の提案や結果を聞いた際、信用していいか判断できない
  • 統計手法などのHowではなく、何にデータを活用するべきかWhatが知りたい

 このテキストではデータ活用のプロセスに焦点を当てているため、数学や統計学、プログラミングの知識は不要です。

このテキストから何が得られるか

 このテキストでは、これからデータを活用していきたい企業の方のために、データを活用するためのプロセスを解説します。このデータ活用のプロセスを俯瞰できると、「何から手をつけるか」「何が必要か」が明確になり、データ活用の実践に踏み出せます。

データ活用プロセス概要

1. ビジネスの理解

 まず、解決するべき問題を理解します。データ分析というと調査手法や解析手法に目が行きがちですが、「どうやって調べるか」よりも先に、「何のために、何が知りたいか」を明確にすることが重要です。ここでは、データ分析がどのように成果につながるかを明確にします。

  • Step.1 目標を設定する
  • Step.2 解決すべき課題を特定する
  • Step.3 課題解決策を策定する
  • Step.4 データ分析のソリューションを設定する

2.データの準備と理解

 情報やデータは課題解決の材料とみなすことができます。ここでは、課題解決に必要な情報を整理し、その取得方法を検討し、情報収集、整理を実施します。

  • Step.5 課題解決に必要な情報の取得方法を検討する
  • Step.6 課題解決に必要な情報を取得する
  • Step.7 収集した情報を整理、分析する

3.モデリングと評価

 各種分析手法を用いてデータの中からパターンや役立つ情報を見つけます。また、この分析結果が課題解決に役に立つかを評価します。

  • Step.8 モデルを作成する
  • Step.9 モデルを評価する

4.展開

 分析結果を踏まえ、課題解決策を実施し、その成果をモニタリングします。このモニタリングにより、PDCAサイクルを回し継続的な改善を実施します。

  • Step.10 課題解決策を具体化する
  • Step.11 課題解決策の実施成果をモニタリングする

ケーススタディの設定

 このテキストではより理解を深めていただくために、仮想の美容院を使い、ケーススタディをしていただきます。

サンプル企業の背景

  • 従業員数(20名、うち12名がスタイリスト)の美容院
  • 顧客層は20代以降の社会人中心
  • サービスやお店だけでなく、スタイリストに顧客がつくことが多い
  • 郊外の駅付近に店舗をかまえるため、新規の来店客数は安定している(年間約480件)
  • 競合店が多いため、新規顧客獲得のための宣伝は費用対効果が悪い
  • ベテランスタイリストの引退によりリピーターが減少した

あたなの立ち位置

 この美容院は「来店客数をベテランスタイリストの引退前の水準に戻したい」と考えています。あなたは、この問題をデータの観点で分析し、さらに解決策を考案するために美容院から呼ばれました。


>> Step.1 目標を設定する


「データから価値を創造する」一般社団法人データマーケティングラボラトリー

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