Rのレポート作成機能について解説します。文章、Rの実行結果、RのコードなどをHTMLファイルやPDFファイルで出力する機能で、分析結果の共有などに使えます。ここでは、RStudioを使用していることを前提に解説します。

メリット

  • 分析からドキュメント生成までをRStudioだけで完結できる。グラフなどの分析結果を、wordに貼り付けて整理しなくても良いので効率化が図れます。

  • コードの再利用性が向上する。excelと異なり、データとコードが分離されているので、コード部分の再利用性が向上します。

  • 定期レポート作成の自動化が実現できる。データの処理手順が変わらず、入力データのみが更新していく定期レポートなどは、ドキュメント作成のコマンドを定期的に実行することで自動化が可能になります。

  • レポートの配布が容易になる。出力形式をHTMLにして、ファイルの出力先を共有フォルダにすれば、webブラウザだけでレポートの閲覧が可能になります。

ワークフロー

  1. R Markdownファイル(.Rmd)の作成
    メニューバーのFile > New File > R Markdown を選択してください。

  2. 初期設定
    Title, Author, OutputFormatを設定します。後から設定の変更は可能です。ここでは「HTML」を選択します。

  3. ドキュメントの編集
    何か書かれたファイルが生成されます。実際にはここを編集していきますが、今回はワークフローの確認ですので特に何もしなくて結構です。

  4. 出力ドキュメントの生成
    ウィンドウ左上の「Knit」ボタンを押してください。HTMLファイルが出力されます。

Rmdファイルの構成要素

先ほど生成したRmdファイルをご覧ください。Rmdファイルは次の3つの要素で構成されています。詳細なオプション等は次ページ以降で説明します。

yamlヘッダ(出力ドキュメントの設定)

ファイル全体の設定をします。

---
title: "Untitled"
output: html_document
---

Rチャンク(Rのコード)

出力ファイル生成時に実行されるRコードです。

```{r}
```

で区切られたブロック

その他(テキスト、レイアウト)

上記の2要素以外の部分でテキストなどをMarkdown記法で記述します。


出力ドキュメントの設定(yaml)


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